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日付
2024-08-26
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知識
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地球環境への負荷の低減および持続可能な社会 を目指した脱炭素化の取り組みを背景にして自動 車の燃費向上の取り組みが進められている。特に ここ約 10 年は、2015 年 9 月の国連サミットで参 加国の全会一致で採択された SDGs(Sustainable Development Goals)の取り組みにより、一般の 人々の関心も高まっている。SDGs は、17 のゴー ル1) があり、その中のゴール 13 は、気象変動で、「気 象変動及びその影響を軽減するための緊急対策を 講じる」2) となっている。最近の日本は、地球温 暖化が原因と思われる海水温の上昇による大型で 強力な台風の発生や、温暖化に伴う大気の不安程 度が増すことで連続した積乱雲が発達し易い環境 となり大雨を発生させる線状降水帯の多発などに より甚大な被害が発生している。人々の安心かつ 安全な生活を確保するためにも、このような地球 環境の悪化を抑制する必要があり、その必要性が 実感として感じられる今日この頃である。 令和 6 年度に国土交通省から公表 されたガソリン乗用車の JC08 モード 燃費平均値の推移を図 13) に示す。各 線は、同図中に記載されている車両 重量別で 2011 年(平成 23 年)から 2022 年(令和 4 年)までの燃費の変 化を表している。図より、軽量車両 の方が燃費が良いことが分かる。 このことからも、車両の軽量化により燃費が向 上し、ガソリンの消費が減少することにより CO2 の排出が抑制され、地球温暖化の抑制に貢献でき ることが分かる。さらに各車両重量における燃費 の推移をみると、全般的に燃費は向上している傾 向があることも分かる。これは、エンジンの燃焼 効率の向上や自動車が動いている時に接触して摺 動する部品の摩擦抵抗の低減効果もあるが、軽量 および高強度材料の適用が燃費の向上により大き く貢献していると考えられる。